読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

No.68 Pat Metheny Group / We Live Here 1995(USA)

Pat Metheny Group
パット・メセニーというアーティストが元々プログレ・ファンの嗜好に最も親和性の高いジャズ・フュージョン系の存在であることは言うまでもない。ずっと前から何となく聴いてはいたものの、個人的な音楽変遷を改めて振り返ってみると、本腰を入れて、本気で入れ込んだのは結局、この『ウィー・リヴ・ヒア』だったように思う。
折からのハウス・ミュージックの影響もあったし、すでに社会人となった後でプログレッシブ的なイデーへの執着もすっかり脱皮した時期でもあった。これからブラジルという新天地へ旅立とうという個人史上のターニングポイントと言うべき特別なタイミングでもあった。そんな時、ジャズ好きの親しい友人から熱き推奨で半ば強制的に日々車の中で聴いていた本作への思い入れもまた格別だった。

忠誠心のあるファンからしてみると、先行する大ヒット作『Still Life』『Letters from Home』と比べると、ポップ過ぎるという懸念もあるかもしれないが、通りすがりのリスナーの自分にしてみれば、思い出満載の本作はすべての面でパーフェクトな作品である。特に熱い思入れを言えば、The End Of The Worldのクライマックスで叫ぶギターシンセのソロに尽きるだろう。
 

さらに偏った個人的な思い出、思い入れを込めるのは、Red Skyのギターシンセのソロということになってしまうのだが、一見したところ凡曲扱いのこの一曲だけにスペシャルな愛情を注ぐ人が他にどれだけ居るのかは心もとない。
でもRed Sky。それは今も私にとっては特別な思い出そのものだ。
じっくり堪能するのに値する、そしてそんなエクスペリエンスを保証する逸品でもある。