読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

No.45 【イタリアン・ロックの輝き】PFMの来日。

イタリアン・ロックの輝き PFM
イタリアン・ロックの至宝PFMが来日する。
しかも来週末である。

彼らの来日はこれで何度目になるのであろうか。
1970年代半ばの初来日は、メンバーが歓喜の涙を流したという感動のエピソードが伝わる歴史的一幕であったが、今世紀に入り、2002年の再来日公演は全盛期のメンバー5名中、マウロ・パガーニを除く4名が揃っての名演である。その内容はDVDとなっているので、我々にもお馴染みだ。その後、恐らくもう一回、日比谷でのプログレフェスで来日しているので、今回は通算4回目くらいになるだろうか。

PFMと言えば、イタリアンロックの最高峰、まさにユーロロックの代名詞的存在である。
その後、いかに有力な無名の大物がヨーロッパ辺境から現われても勝って当たり前の、不動の東横綱待遇だ。

そのPFMがデビュー40周年を記念して来日するというのに有難みを感じないというのは、四半世紀以上のキャリアを持つプログレッシャーとしては何ともルーズな話である。
確かにチョッチョ、ムッシーダ、ジーヴァスの3人が居並ぶポートレートに新鮮味はない。
いつもの、あまりいつも通りの3人だ。

しかし、さすがにそれでは2000名収容の後楽園ホールでの公演は成立しない。
そこにはプロモーターの心憎いばかりにファン秒殺の仕掛けがあった。

それが1973年の『幻の映像』、そして1974年の『甦る世界』という、往年の名作、名盤の完全再現という謳い文句である。
こうなれば、我々はパブロフの犬になるしかない。

逆に考えれば、やはりこの2枚のアルバムは自分にとって本当に青春そのものであった。
特に個人的には『甦る世界』に尽きる。

『幻の映像』1枚で「名門中の名門」PFMは素通りして、ユーロピアン・ロック・コレクションの輝かしいラインナップに向かおうとした時、PFMの偉大さを心底、思い知ったのは、やはり『甦る世界』の、もはや比類のない孤高の美学であった。

10分に及ぶ「The Mountain」は、同じスペックでの名曲、ジェネシスの「One For The Vain」を凌ぐ緻密さ、完成度に唖然とし、メロトロンを存分に駆使した美しいバラード2品に続く、B面の緩急のコントラストが鮮やかなメドレー展開。
まさにプログレ道の完成形、最高峰である。
ムゼオだ、ディブロンゾだ、ロッカンダだとマイナー指向に流れていた当時、ティーエイジの自分を冷静に引き止めるメジャーの凄み、それがPFMの欺きようのないクオリティだったのだ。

それをライブで聴ける。
メンバーは少し違うが、贅沢は言うまい。それに演奏の完成度は間違いなく全盛期を凌ぐはずだ。

楽しみだ。

10274288_656247611120656_4610117504132330723_n