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No.33 Van Der Graaf Generator/Pawn Hearts

VDGGを初めて聴いたのはFM番組のプログレッシブ・ロック特集で流された「焦土」であった。当初はカリスマレーベルにおけるジェネシスの盟友というイメージしかなかったが、ピーター・ハミルの絶叫ヴォイスのド迫力に圧倒された。 最初に購入したLPはやはり最高傑作と評されていた「Pawn Hearts」である。その時点では「焦土」の収録アルバムが不明であったが、同じ音を期待して聴いてみると音像がまるで異なるので驚いた。初期ジェネシスに似た、古色蒼然とした混沌プログレという印象であったと思う。 しばらく聞き込むと、これがとんでもない世界だと気付く、酔える。Frippがゲスト参加しているが、あまり目立った貢献はしていない。それよりハミルの存在感だ。ちょっとJudas PriestのRob Halfordを彷彿させるハイトーン絶叫が堪らない。 しかし何という常識はずれな変則編成だろうか。ドラム、オルガン+ベースペダル、サックス、エレピ+ヴォーカル。それでいながらどこか中世的で、やたら構築度の高い複合構造の音楽スクリプト。やはりこれも見事だ。 いやそれよりも世界観だろう。 何しろ万事、ヨーロッパに憧れていた年代。キリスト教的な善悪のコントラストの利いた美学に無性に魅せられたものである。(2009/12)