No.29 East/ Hüség

旧共産圏のハンガリーから登場した新世代シンフォニックの旗手Eastのセカンドアルバムは、本国発表からまもない1983年、キングレコードのNexusシリーズ第一弾として紹介された。期待を大きく上回る完成度と充実ぶりで多くのファンを魅了した。私もその一人で、リアルタイムに活動する存在ということでちょっと過剰な期待に胸を膨らませたものだ。
イエス、ジェネシス系の典型的なシンフォニック、と言ってしまえば、味気ないが、その時点ですでに欧米シーンではほとんど消滅したと思われた1970年代前半の古き善き正攻法スタイルである。それが共産圏出身ということで特別に夢が広がった。音そのものは洗練されていて古くさくはなかったが、ブルーズ色の漂うギターのフレーズや温もりあるヴォーカル、そしてNew Trollsを思わせる感動的な泣きのバラードが独特の世界を築き上げていた。

(2009/12)