No.27 Pollen/Pollen

1970年代半ばから世界各国でブリティッシュプログレの名門バンドに影響を受けた多くのエピゴーネン達が登場した。
その中で最も数が多かったのはやはりイエスであろう。
イエス自体、キング・クリムゾンのデビュー作に触発され、一挙に大バケしたわけだが、特にRick Wakeman加入後の全盛期、「Fragile」と「Close to the Edge」は絶大な人気を博し、ロックという形態の中でまったく新たな世界観を表現できる可能性を実証してみせた。
そして特に正式な音楽教育を受けていた若者たちがこぞってこのスタイルを模倣し出したと考えられる。

カナダのケベックから登場したPollenはそういった時代の群像を代表する存在と云える。
1976年、無名のマルチプレーヤー4人が作り上げたこの作品は、青は藍より出でて藍より青しの言葉どおり、本家イエス以上にイエスらしい、イエスという美学に忠実な音楽と言っても過言ではない。
それほどイエスを意識的に演出している見事な職人芸。完成度はやはり屈指と思われる。
具体的に細かく見れば、イエスそのものというわけではない。ヴォーカルはしわがれ声だし、牧歌的なトラッド感覚も独特の味わいである。
今にして言えば、録音も良くないし、特にリズムセクションの切れが今ひとつ。
しかしカラフルなギターとキーボードが縦横無尽に交錯する万華鏡的世界はやはり一つの極致である。
各国のイエスを追い求める十代の旅路はひとまずこのPollenに至って一つの終わりを迎えた。

(2009/12)