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No.26 Flame Dream/Out in the Dark

「スイスのイエス」と言われたFlame Dreamのサードアルバム。
プロデューサーにSteve Hackettを手がけたことで知られるJohn Acockを迎え、時流から大きくかけ離れたプログレ路線でスイス国外への進出を図ったと推測される。

Flame Dreamの存在が知られたのはマーキー誌上だった。1983年頃、このながら前作ELementsが絶賛されたが、すでに入手困難な廃盤状態で実際の店頭に並んだのはOut in the Darkであった。いずれも甲乙付けがたい傑作である。 どうしたわけか、2009年の今だにこのFlame Dreamという存在は再評価・名誉復帰がされていない。
個人的にはユーロ・ロック史上で最高水準にあると思う。1980年代初頭という「冬の時代」にJohn Acockが目を付けたのだから当然それだけの器だった。 敢えて批判的に見れば、オリジナリティの欠如がずっとFlame Dreamのアキレス腱になった。
ドラムはBruford、ベースはSquire、キーボードはWakeman。それぞれそっくりさんと言えるほどの類似性で、メインキャラクターがVo兼Saxであったせいでイエスのコピーバンドとまでは言えなかったが、UK、ジェネシス、さらにZincまでアレンジやフレーズの露骨な盗用は後期になればなるほど顕著になっていった。
それでもFlame Dreamには底知れない深みがあったように思う。恐らく彼等はイエスやジェネシスと同世代であり、元々ジャズやクラシックで独自の音楽キャリアをしっかり積んできて、1970年代に入ってからプログレッシブ・ロックなるものに手を染めたと想像される。
最初からイエスのコピーから始めた世代とは音楽の成熟度が確実に違う。

(2009/12)