No.25 Eddie Jobson And Zinc/The Green Album

UKが解散した時、Eddie Jobsonはまだ25歳。改めて考えると、とんでもなく早熟な天才である。おまけに例の華麗なルックスだから、ヒーローと云うよりアイドルに近かった。
そのEddieがソロ・ユニットZincを結成、大手レーベルCapitalと契約して発表したのがThe Green Album。初回プレスは何とグリーンのレコード盤という異例の凝りようだった。この後、色をテーマにした連作をリリースしていく予定とインタビューでも語っていたが、その計画は実現しなかった。
バックミュージシャンはGentle GiantのGary Greenのゲスト参加を除き、ほぼ無名。UKの構築美をベースにしつつ、多分にエイジアでのJohn Wettonの成功を意識したと思われる歌入りのポップ志向を強く押し出した作風。
リード・ヴォーカルは何とEddie自身。ちょっと線は細いが、イメージどおりの声質だ。音楽的には、当時の相当に厳しい状況下ではかなり善戦していると思う。 最初と最後で同じフレーズが循環する正攻法のコンセプト作品で、クラシカルなピアノ、アナログシンセの早弾き、エレクトリック・ヴァイオリンのソロと見せ場、聴かせ所は満載。独裁体制ながらUK張りのバンドアンサンブルも、なかなかの力演である。
歌詞もラブソングではなく、ちょっと哲学的というか抽象的な内容になっている。Eddieというミュージシャンがいかにプログレッシブ・ロックという美学に格別な思いを持つ硬派であるかを証明した一枚である。
しかしこの直後、イエスへの加入が報じられ、ただちに脱退。メインストリームから姿を消してしまう。 

(2009/12)