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No.22 UK/UK(憂国の四士)

UKは当初、エイジアの前身ということで入手した。「エイジアはポップ過ぎる」というので、よりプログレの王道であるUKを聴くべし、とのことであった。エイジアは全米チャートの年間№1になったが、UKはあまりヒットしなかった。FM雑誌のプログレ特集によると60位台が最高ランクだったらしい。「売れなかったのは芸術性が高いからだ」というロジックであった。したがって最初からエイジアとの比較が念頭にあった。
実際、聴いてみると、ジョン・ウェットンの歌は同じだと思った。AlaskaからTime To Killへ続くスピードの乗ったメドレーが直ちに気に入った。In The Dead Of Nightは変拍子のためか、ちょっとぎくしゃくした印象だったが、それも最初だけで、エイジアとさして変わらない感覚で楽しむようになった。ブラッフォードのドラムはスネア音がユニークだとはすぐに判ったが、次第にただ音数を叩きまくるのではなく絶妙に要所を抑えるセンスは知的でスマートと思えてきた。ホールズワースのギターも当初はキーボードと聞き分けられなかったが、やはり出過ぎるのではなく肝心の所で登場する早弾きフレーズの美しさに舌を巻いたものである。
UKの凄さはやはり本家本元の英雄たちがみずからが確立した「プログレッシブ・ロック」という形式を徹底的に自覚して、意識的につくり上げるという透徹したプロフェッショナリズムである。恐らく最も明確にそう意識した最初であり、この後に何度となく繰り返されるが、この域に達するものはほとんど皆無である。
(2009/12)

(2009/12)