読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

No.21 Genesis/Foxtrot

1980年代に入るまでにプログレッシブ・ロックというジャンルを築いた名門の大半がアメリカ進出に失敗し戦線離脱を余儀なくされた。そんな中、ほぼ例外的に生き残ったのはジェネシスであった。
まずピーター・ゲイブリエルフィル・コリンズがソロ活動でブレーク、米国で揺ぎないステータスを確立した。そこから遡る十年前、ジェネシスは第二世代のプログレッシブ・ロックとして頂点を極めた。
よく言われたのは「ライブアクト№1」である。
私が一番初めに聴いたのは『Foxtrot』で、Watcher Of The Skiesの切れの良い変拍子が単純にカッコよかった。Time Tableなどの陰のあるメロディの味わい深さにも惹かれた。何と云ってもSupper's Readyの演劇的な展開が年端も行かない初心な耳にはショッキングに響いたが、しばらくすると、その妖しげな魅力にノックアウトされのめり込むこととなった。歌詞の世界、ゲイブリエルの奇抜なキャラクター、その後の大活躍などの周辺情報は一切、抜きにしても、何やら奥深い芸術性のようなものを感じ取ったのだと思う。
初期ジェネシスの傑作群の中で、最もバランスよく彼等の魅力を表わした外向け入門篇的な作風と思うが、いかがであろうか。
(2009/12)