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No.10 Rush/Permanent Waves(永遠の波)

わが生涯にこの一枚 四半世紀以上もの間、Rushと共に生きてきたが、そんな自分にとっても、1980年代初頭、Permanent Waves、Moving Pictures、Exit Stage Leftの3枚は格別な『Rushの中のRush』、今でもちょっとこの世のものとは思えない、聖書のような存在である。 プログレ史で言えば、「そして誰も居なくなった」1980年。不毛な暗黒時代の始まりに、あまりに衝撃的な大ヒットを記録したPermanent Wavesは、個人的には真っ先に「無人島に持っていくアルバム」に挙げたい一枚である。 最初に聴いたのはジャケットに面を食らうような中学生のころ、The Spirit Of RadioからFreewillへと続くメドレーの鮮烈なリズムチェンジ、めくるめくような場面展開、そして壮絶なインタープレイの応酬に絶句したものである。私の音楽的イデーはこの2曲で決まったと云えるかもしれない。それほどの衝撃であった。 冷静に改めて振り返ると、やはりこの時期のRushは神懸かりだったと思う。ホームグラウンドと云えるLe Studioという最高の創作環境で心技体、すべてが揃った瞬間ゆえの奇蹟的な結晶であろう。テクノロジーを超越したこの迫力、勢い、気合いは意識的に作り出せるものではない。音楽の女神に愛された3人ゆえの栄光、これこそまさにロックだ。 (2009/12)。

(2009/12)