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No.5 Journey/Escape

1981年作品。時代を象徴するメガヒットアルバム。 1980年代に入るころ、ロックという概念が明らかに変わった、決定的に変わった。 その事を証明するマイルストーン的作品とも言える。 当時は「産業ロック」などと揶揄されたものだが、そもそも表現の対象であるリスナー・マーケットを意識して、最高クラスのプロフェッショナルがロックとやらをやってみればこうなる、というだけの話であろう。 そんな事の道理は今ではすぐに分かる。 当然ながら大成功、狙い済ましたプロフェッショナリズムはやはり見事だった。 個人的には人生でいちばん最初に買った洋楽のレコードである。 迷いに迷った末、なけなしの小遣いを投じたのだから、否応もなく毎日むさぼり聴いた。 当時はテクニックなど意識しなかったが、今聴くと心憎いばかりの職人芸である。絶対に売れる、そんな確信が伝わってくるような音。 そんな計算尽くしの職人芸が数年後からはまるで通用しなくなるから、世の中は面白い。 バカテクと言えば、何と言ってもスティーブ・スミスのドラム。 全編に渡って出し惜しみ気味のお仕事ドラムだが、唯一、のっけから前のめりに疾走する八曲目が個人的なハイライトだ。


(2009/12)