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Jack Bruce & Friends- Bird Alone

Jack Bruceという人物は、自分が物心が付いた中学生の当時から、Creamの1人としてロック史上のVIPだった。

キャリアの早い段階で大きすぎる名声を得たことで、この生粋の職人気質の大物も多くの苦難を味わったはずだ。特に1980年代に入ってからは不遇に見えた。

自分が意識的に彼のディスコグラフィを集め出したのは1990年代だが、その頃からようやく正当な名誉回復が実現したように思う。

私にとって、Jack BruceとはむしろCream解散後のソロワークに本質がある。

Cream時代から想定されるようなブルーズ色は驚くほど希薄であり、英国古来のフォークやクラシックに根ざした端正な音楽性は、われわれプログレッシブ・ロックの愛好家ときわめて親和性が高い。

実際、彼の歴代バック・バンドはJon Hiseman以下、Colloseumの主要メンバーだし、Soft MachineのJohn Marshall、Simon Philipsはじめ、プログレ界のビッグネーム揃いである。

そんな彼のキャリアの中で、音楽的な一つの頂点と改めて思えるのは、Mahavishnu OrchestraのBilly Coblam、David Sancious、そしてColloseumのClem Clemsonという、ジャンル横断的な名プレイヤーとの“夢の共演”が実現したスーパー・グループ、Jack Bruce & Friendsである。

それぞれはその名の通り、古くからのセッション仲間だが、この時は満を侍して彼の音楽的構想を体現する最強のラインアップとして招聘された感が強い。

これに先立つJack Bruce Bandが若手を起用した編成だったのとは対照的である。

そして、このバンドのハイライト曲と言えるのが、Bird Aloneだ。

言うまでもなく、チャーリー・パーカーという天才に捧げた作品だが、意表を突くようなロック指向のテクニカルな演奏が繰り広げられる。

Jack Bruceのヴォーカルがなければ、Mahavishnu Orchestraルーツのジャズ・ロックまたはフュージョンに近いが、演奏の主役はBilly Cobhamであり、半ばドラム・ソロのようでもある。

われわれの感覚に照らせば、やはりプログレッシブ・ロックと呼ばざるを得ない、計算高くストイックでありながら、どこかアナーキーな美学だ。

 

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