No.56 Area / 1978 1978(Italy)

イタリアン・ロックの奇跡として名高いアレアの、余りにも有名な最高傑作。この直後、白血病で急死したデメトリオ・ストラトスの遺作、事実上の最終作と言ってもよい。アレアについては驚嘆すべきエピソードも多い。とにかく独創的なテクニックは、同時代の…

No.55 Gong / You 1975(France)

デヴィッド・アレン率いるゴング。1960年代後半から1970年代前半、プログレッシブ・ロックの黎明期から全盛期にかけて、カンタベリー・シーンの中枢に君臨し続けたビッグネームだが、混沌とした時代の空気が忘れ去られるにしたがって、プログレ正史の中でも…

No.54 Camel / The Snow Goose 1975(UK)

抒情派ロックの筆頭格として、英国プログレッシブ・ロックのいわゆる5大バンドに次ぐ存在のCamelは、7歳年上の兄のお気に入りであり、自分が洋楽を聞き出した時には1970年代のほとんどのレコードが揃っていた。デビュー作から通算6枚目の『Breatheless』あ…

No.53 Magma / Retrospektiw III 1980(France)

ユーロ・ロック史上、最大クラスの存在感を誇るフランスの巨星Magma。唯我独尊、この比類なき孤高の存在を自分が知ったのはいつ頃だったであろうか。時期的にはやはり高校に入る前後だとは思うが、これがどんなイメージで自分の視界に入ってきたのかはよく思…

No.52 Missing Persons / Spring Session M 1982(USA)

Missing Personsは最初、LAからエレクトロニック・ロックの新鋭として普通に登場した。例えば、BerlinとかThompson Twins同様、流行に乗って全米チャートの上位に食い込んできたニューカマーだった。当初からデイル・ボジオの奇妙な発声のヴォイスとエキセン…

No.51 Rush / Grace Under Pressure 1984(Canada)

私にとってRushは結局、今日に至るまで、ずっと自分の半生を共に生きるかけがえのないパートナーだった。多くのRushファンも同じ気持ちであろうが、さすがにまさかここまで彼らが長い間、第一線で創作活動を続けるとは思わなかった。もちろん、いつだってRus…

No.50 National Health / Of Queues and Cures 1978

ナショナル・ヘルスは、Brufordで音楽的主導権を発揮したキーボード奏者のディヴ・スチュワートがその直前まで組んでいたバンドである。プログレッシブ・ロック史上のサブカテゴリとしては、一般に「ジャズ・ロック」と分類されるが、「カンタベリー」という…

No.49 Bruford / One of a Kind 1979(UK)

Brufordは、UKの分裂劇から生まれた、もう一方のユニットとして、1970年代の英国プログレッシブ・ロックの歩みを少し遅れて追いかけてきた自分にとっては、その最終形態と言うか、最後の結論と言うか、そういう意味でとても重要な存在であった。実態は、UK結…

No.48 It Bites / The Big Lad in the Windmill 1986(UK)

イット・バイツのデビュー作The Big Lad in the Windmillは1986年リリース。1980年代半ば、と云えば、マリリオンをはじめとするポンプ・ロック勢がまだ敬愛する1970年代のビッグネームのパロディーという域を超えていない時期だ。しかし、彼らはもともとポン…

No.47 Focus/Sylvia from Live at the Rainbow 1973

オランダのフォーカスは、イタリアのPFMに先立って、インターナショナルな成功を収めたユーロ・ロックのさきがけ、草分け的存在だが、1970年代初頭、ブリティッシュ・ロック全盛期にハード・ロックやプログレを代表する名門バンドと並び、イギリスで人気…

No.46 【イタリアン・ロックの輝き】PFM in Tokyo Dome City Hall 2014

イタリアン・ロックの至宝、PFMのデビュー40周年を記念し、この春先に急遽決まった通算5度目の来日公演。今日はその初日。水道橋はビジネス要件でお馴染みの東京ドーム・シティー・ホール。まさに40年前の名作、名曲、『Photos of Ghost(幻の映像)』(1973…

No.45 【イタリアン・ロックの輝き】PFMの来日。

イタリアン・ロックの至宝PFMが来日する。しかも来週末である。彼らの来日はこれで何度目になるのであろうか。1970年代半ばの初来日は、メンバーが歓喜の涙を流したという感動のエピソードが伝わる歴史的一幕であったが、今世紀に入り、2002年の再来日公演は…

No.44 【イタリアン・ロックの輝き】PFM『Suonare Suonare』から

イタリアン・ロックの代表格と言えば、もちろんPFMである。当然、自分が最初に知ったのもPFM、レコードを買ったのもPFMだ。1973年、EL&P主催のマンティコアレーベルを通して全世界に紹介された、あの『Photos of Ghost(幻の映像)』である。自分が購入した…

No.43 【イタリアン・ロックの輝き】Banco『春の唄』(1979年)から

イタリアン・ロックで今でもよく聴くのは、何かと言えば、決して多くはないのだが、やはりバンコということになりそうだ。日本において、バンコは最も人気の高いイタリアン・ロックの代表的アーティストである。それに関しては異論はないだろう。日本人好み…

No.42 【イタリアン・ロックの輝き】Goblin『マーク幻想の旅』(1978)より

本当に思う。ほんの少し前まであり得なかったことである、と。世界中のほとんどの音楽がクリック一つで無償で聴けるというネットアナーキーの現状である。これは、音楽を命として生きてきた自分のような人間には大問題であり、みずからの世界観、人生観に大…

No.41 プログレッシブ・ロックとの出会い

30年ほど前、中学生だった頃のプログレッシブ・ロックとの出会いは、今日に至る自分の人格形成に大きな影響を与えた原体験である。改めて記憶をたどってみると、その過程ではずっと忘れていたアイテムが貴重な情報源として重要な役割を果たしていたことを思…

No.40 Kansas/Vinyl Confessions 1982(USA)

1982年初夏のこと、カンサスのニュー・アルバムが全米チャートを着実にランクインしてきた。 「ビニール・コンフェッション」という題名でジャケットはなにやら素っ気のないデザイン。おまけにおなじみのロゴも使っていない。 「らしくないな」と感じつつ、…

No.39 It Bites/Once Around The World(限りなき挑戦)

1980年代後半。全国1億2千万人のプログレ・ファン全員が待望していたリアルタイムな本物のプログレッジブ・ロック。ポップだ、ショウビスだという批判はひとまず置くとして、イット・バイツが本作によってプログレ・ファンのそんな期待を満たしたことは間違…

No.38 It Bites/Eat Me In St. Louis

イット・バイツの「本質」に、遅ればせながら気づいて熱狂した私は、彼等が残した3枚のアルバムを貪り聴いた。まずは結果としては遺作となってしまったサード・アルバムだ。主要な曲はライブ・アルバム『Thankyou & Goodnight』に収録されていて、大のお気に…

No.37 It Bites/Thankyou & Goodnight

イット・バイツの『Once Around the World』が新旧プログレファンの間で話題になっていた大学1年の頃、自分の手元にもサークル仲間からカセットテープが回ってきて、さっそく耳を傾けてみた。最初は分厚いキーボードの洪水、ホールズワース的な早弾きソロ、…

No.36 1980年代プログレ代表 It Bites、Sagrado Coracao da Terra

プログレッシブ・ロックについて語り出すと、古い話ばかりになるのは気が引けるのだが、やはり避けることはできないのだろう。自分が大学に入ったのは昭和の最後の年。1988年。世はバブル経済の真っただ中ということになっているが、自分の記憶にそういう時…

No.35 King Crimsonと私

キング・クリムゾンを知ったのは1982年の中学2年の冬だった。大ヒット中のエイジアに夢中になった後、7歳上の兄のガイダンスを受けながらイエス、EL&P、UKと駆け足で遡り、必然的に『宮殿』に至った。寒い冬、借りてきたレンタルレコードをカセットテープに…

No.34 Il Volo/Essere O Non Essere?

イル・ヴォーロの音楽的独創性は、イタリアン・ロック広しと言えども、やはり抜群、独走と思う。後にも先にも、この時にしかありえなかった未来志向のシンフォニック・ロック、その音楽イデーがほぼ完璧な形で結晶したのが、このセカンド・アルバムである。…

No.33 Van Der Graaf Generator/Pawn Hearts

VDGGを初めて聴いたのはFM番組のプログレッシブ・ロック特集で流された「焦土」であった。当初はカリスマレーベルにおけるジェネシスの盟友というイメージしかなかったが、ピーター・ハミルの絶叫ヴォイスのド迫力に圧倒された。 最初に購入したLPはやはり最…

No.32 Renaissance/A Song for All Seasons(四季)

自分が最初に聴いたルネッサンスは「燃ゆる灰」であったが、まだ粗削りさの残る初々しいアコースティックな作風は、イエスの構築美を期待していた未熟な耳には物足りなさを感じた。その後のルネッサンスはアメリカ市場での成功も勝ち取って、まさしくイエス…

No.31 Renaissance/Ashes Are Burning(燃ゆる灰)

クラシカル・ロックの雄と言えばルネッサンス。その代表作として廉価版シリーズで再発されたのを買った。1983年、中学三年生の夏だった。その時はエイジアから遡って入ったイエス、EL&Pに熱中していたので、このルネッサンスにも同じ音を期待した。リズムの…

No.30 Solstice/Silent Dance

1980年代に入って、プログレッシブ・ロックを確立した第一世代の名門バンドが表舞台から姿を消したのと入れ替わり、英国のアンダーグラウンドでは早くもその影響を受けた新たな世代のバンドが活動を本格化していた。ポンプ・ロックと呼ばれたその群像は先輩…

No.29 East/ Hüség

旧共産圏のハンガリーから登場した新世代シンフォニックの旗手Eastのセカンドアルバムは、本国発表からまもない1983年、キングレコードのNexusシリーズ第一弾として紹介された。期待を大きく上回る完成度と充実ぶりで多くのファンを魅了した。私もその一人で…

No.28 Bacamarte Depois Do Fim

南米ブラジルにもプログレッシブ・ロックが棲息している。そんなことが日本の愛好家で話題になったのは1983年頃か。やはりマーキー誌上でその高水準を証明する目玉アイテムとして紹介されたのがBacamarte(バカマルチ)である。ほとんど新作と言ってもいいタ…

No.27 Pollen/Pollen

1970年代半ばから世界各国でブリティッシュプログレの名門バンドに影響を受けた多くのエピゴーネン達が登場した。 その中で最も数が多かったのはやはりイエスであろう。イエス自体、キング・クリムゾンのデビュー作に触発され、一挙に大バケしたわけだが、特…