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No.40 Kansas/Vinyl Confessions 1982(USA)

1982年初夏のこと、カンサスのニュー・アルバムが全米チャートを着実にランクインしてきた。 「ビニール・コンフェッション」という題名でジャケットはなにやら素っ気のないデザイン。おまけにおなじみのロゴも使っていない。 「らしくないな」と感じつつ、…

No.39 It Bites/Once Around The World(限りなき挑戦)

1980年代後半。全国1億2千万人のプログレ・ファン全員が待望していたリアルタイムな本物のプログレッジブ・ロック。ポップだ、ショウビスだという批判はひとまず置くとして、イット・バイツが本作によってプログレ・ファンのそんな期待を満たしたことは間違…

No.38 It Bites/Eat Me In St. Louis

イット・バイツの「本質」に、遅ればせながら気づいて熱狂した私は、彼等が残した3枚のアルバムを貪り聴いた。まずは結果としては遺作となってしまったサード・アルバムだ。主要な曲はライブ・アルバム『Thankyou & Goodnight』に収録されていて、大のお気に…

No.37 It Bites/Thankyou & Goodnight

イット・バイツの『Once Around the World』が新旧プログレファンの間で話題になっていた大学1年の頃、自分の手元にもサークル仲間からカセットテープが回ってきて、さっそく耳を傾けてみた。最初は分厚いキーボードの洪水、ホールズワース的な早弾きソロ、…

No.34 Il Volo/Essere O Non Essere?

イル・ヴォーロの音楽的独創性は、イタリアン・ロック広しと言えども、やはり抜群、独走と思う。後にも先にも、この時にしかありえなかった未来志向のシンフォニック・ロック、その音楽イデーがほぼ完璧な形で結晶したのが、このセカンド・アルバムである。…

No.33 Van Der Graaf Generator/Pawn Hearts

VDGGを初めて聴いたのはFM番組のプログレッシブ・ロック特集で流された「焦土」であった。当初はカリスマレーベルにおけるジェネシスの盟友というイメージしかなかったが、ピーター・ハミルの絶叫ヴォイスのド迫力に圧倒された。 最初に購入したLPはやはり最…

No.32 Renaissance/A Song for All Seasons(四季)

自分が最初に聴いたルネッサンスは「燃ゆる灰」であったが、まだ粗削りさの残る初々しいアコースティックな作風は、イエスの構築美を期待していた未熟な耳には物足りなさを感じた。その後のルネッサンスはアメリカ市場での成功も勝ち取って、まさしくイエス…

No.31 Renaissance/Ashes Are Burning(燃ゆる灰)

クラシカル・ロックの雄と言えばルネッサンス。その代表作として廉価版シリーズで再発されたのを買った。1983年、中学三年生の夏だった。その時はエイジアから遡って入ったイエス、EL&Pに熱中していたので、このルネッサンスにも同じ音を期待した。リズムの…

No.30 Solstice/Silent Dance

1980年代に入って、プログレッシブ・ロックを確立した第一世代の名門バンドが表舞台から姿を消したのと入れ替わり、英国のアンダーグラウンドでは早くもその影響を受けた新たな世代のバンドが活動を本格化していた。ポンプ・ロックと呼ばれたその群像は先輩…

No.29 East/ Hüség

旧共産圏のハンガリーから登場した新世代シンフォニックの旗手Eastのセカンドアルバムは、本国発表からまもない1983年、キングレコードのNexusシリーズ第一弾として紹介された。期待を大きく上回る完成度と充実ぶりで多くのファンを魅了した。私もその一人で…

No.28 Bacamarte Depois Do Fim

南米ブラジルにもプログレッシブ・ロックが棲息している。そんなことが日本の愛好家で話題になったのは1983年頃か。やはりマーキー誌上でその高水準を証明する目玉アイテムとして紹介されたのがBacamarte(バカマルチ)である。ほとんど新作と言ってもいいタ…

No.27 Pollen/Pollen

1970年代半ばから世界各国でブリティッシュプログレの名門バンドに影響を受けた多くのエピゴーネン達が登場した。 その中で最も数が多かったのはやはりイエスであろう。イエス自体、キング・クリムゾンのデビュー作に触発され、一挙に大バケしたわけだが、特…

No.26 Flame Dream/Out in the Dark

「スイスのイエス」と言われたFlame Dreamのサードアルバム。 プロデューサーにSteve Hackettを手がけたことで知られるJohn Acockを迎え、時流から大きくかけ離れたプログレ路線でスイス国外への進出を図ったと推測される。 Flame Dreamの存在が知られたのは…

No.25 Eddie Jobson And Zinc/The Green Album

UKが解散した時、Eddie Jobsonはまだ25歳。改めて考えると、とんでもなく早熟な天才である。おまけに例の華麗なルックスだから、ヒーローと云うよりアイドルに近かった。そのEddieがソロ・ユニットZincを結成、大手レーベルCapitalと契約して発表したのがThe…

No.24 UK/Danger Money

Danger Moneyは1983年1月に廉価版の輸入盤を買った。1,200円と嫌に格安だった。ジョンとエディはいるものの、いつの間にか、ビルとアランは姿を消して、テリー・ボジオなるドラマ―に代わっていた。 音のほうは・・・と言えば、何やら格段にストレートになっ…

No.23 Led Zeppelin/Coda(最終楽章)

自分が洋楽の世界に入った1982年、ZeppelinとPurpleは解散したとは言え、各メンバーが洋楽メディアの最前線を陣取って現役の生々しい存在だった。当然のごとく通過する最初の登竜門であった。 主な代表曲はよくラジオ、テレビで流されていたので自然に耳に入…

No.22 UK/UK(憂国の四士)

UKは当初、エイジアの前身ということで入手した。「エイジアはポップ過ぎる」というので、よりプログレの王道であるUKを聴くべし、とのことであった。エイジアは全米チャートの年間№1になったが、UKはあまりヒットしなかった。FM雑誌のプログレ特集によると6…

No.21 Genesis/Foxtrot

1980年代に入るまでにプログレッシブ・ロックというジャンルを築いた名門の大半がアメリカ進出に失敗し戦線離脱を余儀なくされた。そんな中、ほぼ例外的に生き残ったのはジェネシスであった。まずピーター・ゲイブリエル、フィル・コリンズがソロ活動でブレ…

No.20 Caravan/For Girls Who Grow Plump in the Night(夜ごとに太る女のために)

カンタベリー・シーンを代表する最古参、キャラヴァン。そのいささか安易な感じのネーミングから推測されるとおり、今のわれわれが抱くプログレッシブ・ロックのシリアスで重いイメージとはかけ離れた無垢な軽さを備えた存在であった。彼等の歴史は古く、ゴ…

No.19 Yes/Close To The Edge(危機)

プログレ史上最高峰の名作、ということになるであろう。1972年作品、だから37年前になるが、今だに古さを感じないと言ったら言いすぎであろうか。世界中の多くのミュージシャンがこの作品に影響を受け、触発され、同じようなものを創り出そうとしてきたが、…

No.18 Emerson Lake And Palmer/Brain Salad Surgery(恐怖の頭脳改革)

中学生の頃、EL&Pはやっぱりヒーローだった。 当時、EL&Pはすでに解散後、エマーソンが「幻魔大戦」で来日したり、グレッグの方もゲイリー・ムーアとの共演がそこそこ注目を集めていた。 カールはもちろんエイジアで成功の絶頂。 しかし、EL&Pの名前をメディ…

No.18 Rush/Signals

Rushの新作「Signals」が国内でリリースされたのは1982年10月21日。 地方の中学生だった自分は当日に市内のレコード店に駆けつけた。 興奮しながらターンテーブルに載せると、前作Tom Sayerをぐっと重厚にしたような暗めのシンセサイザー音に戸惑った。 それ…

No.17 Kansas/Leftoverture(永遠の序曲)

カンサスの最も有名なヒットチューンと云えば、「伝承」と「すべては風の中に」。 Carry on My Wayward Sonを「伝承」と名付けてしまう言語センスは1970年代と言ってしまっていいのかどうか、よく判らないが、かなりキリスト教色が露骨な歌詞。これが一般に…

No.15 Foreigner/4

フォリナーと云えば、やはりIn The Court Of The Crimson Kingの立役者、Ian McDonaldが参加したことにスポットが当たるが、その昔はとにかく売れに売れていた。 なぜ、あそこまで圧倒的な支持を得たのかと言えば、Lou Grammのシャウトが素晴らしかったのも…

No.13 Toto/Ⅳ(聖なる剣)

キーボードソロがいちばん輝いた時代 グラミー賞を総なめしたトトの大ヒットアルバム。 当時は普通に耳に入ってくる洋楽部門のトップアイテムだったわけだが、今聴くと、さすがは海千山千の場数を踏んできた、西海岸の一流セッションプレイヤーたちである。 …

No.12 Rush/Exit Stage Left(神話大全)

よくぞ名づけた「神話大全」 まさしく神々が奏でる天上の世界・・・エレクトリックエナジーが炸裂するロックスペクタクル。 Rushのライブはこの後、数多く世に出ているが、これは別次元と思っている。単なる個人的な思い入れゆえであろうか。 このアルバムの…

No.11 Rush/Moving Pictures

王者の風格漂う金字塔 元はと云えば、Led ZeppelinのフォロワーからスタートしたRush。 それが1980年という時代の変わり目で大変身を遂げる。 ハード・プログレなんて安易なネーミングはまったく相応しくない。 唯我独尊、もうロック史上比類なき高みへと一…

No.10 Rush/Permanent Waves(永遠の波)

わが生涯にこの一枚 四半世紀以上もの間、Rushと共に生きてきたが、そんな自分にとっても、1980年代初頭、Permanent Waves、Moving Pictures、Exit Stage Leftの3枚は格別な『Rushの中のRush』、今でもちょっとこの世のものとは思えない、聖書のような存在で…

No.8 Asia /Asia(詠時感~時へのロマン)

1982年の年間アルバムチャートの一位に輝いた大ヒット・アルバム。 元キング・クリムゾンのジョン・W。 元EL&Pのカール・P。 元イエスのスティーブ・H。 +ジョフリー・ダウンズ。 まさしく歴戦のツワモノ揃い、スーパーグループと呼ばれた。 とは言え、全員…

No.6 Kansas/Monolith(モノリスの謎)

自分が最初に「ロック」というものを本気で意識したのはカンサスだった。 中学生のときである。 七つ年上の兄所有のライブラリーをあさる中でまっさき惹かれたのが「モノリスの謎」。 一言で云えば、「ドラマティック!」これに尽きる。 何も判らない中学生…

No.5 Journey/Escape

1981年作品。時代を象徴するメガヒットアルバム。 1980年代に入るころ、ロックという概念が明らかに変わった、決定的に変わった。 その事を証明するマイルストーン的作品とも言える。 当時は「産業ロック」などと揶揄されたものだが、そもそも表現の対象であ…

No.2 Il Volo/IL VOLO 1974

ある時期、熱中してしまったため、その思い入れがあまりにも深すぎてなかなか聴くことができなくなってしまった、というアルバムは少なくない。特に十代後半の内面的な人格形成期に深くのめり込んだ音楽はそういう傾向が強い。私にとってイル・ヴォーロはそ…