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New Trolls - Aldebaran 1978

New Trolls - Aldebaran - YouTube 10月のイタリアン・ロック・フェスの主役はLatte e Mieleだったが、ゲスト扱いで友情出演のNew TrollsのVittorio di Scalzeが花を全部持っていってしまった、というのが個人的な感想だった。 長らく現役から離れていたLa…

Jack Bruce & Friends- Bird Alone

Jack Bruceという人物は、自分が物心が付いた中学生の当時から、Creamの1人としてロック史上のVIPだった。 キャリアの早い段階で大きすぎる名声を得たことで、この生粋の職人気質の大物も多くの苦難を味わったはずだ。特に1980年代に入ってからは不遇に見え…

No.84_シン・ゴジラに想ふ

話題の新作である。渡辺謙主演のハリウッド版を挟んで12年ぶりの国産ゴジラ。1984年ゴジラと同じく、期待度マックスの復活作である。当然、高い純度の原点回帰が求められるはずだ。最新のCGを駆使した映像プロダクションはひとまず申し分ない。昨今の世界標…

No.83 Spock's Beard / The Light 1995

1990年代。気がつくと、プログレッシブ・ロックという概念は変わっていた。この国では変わり者のおたくマニアと見なされていた愛好家が実は世界中に広がっているという事実が判明した。インターネットの恩恵の一つだ。やがて昔の時代遅れな音楽、という先入…

No.82 The Flower Kings / Flower Power 1999

1990年代に入って、確かに世界のプログレッシブ・ロックを取り巻く環境は変わった。きっかけは仏ムゼアレーベルや伊ヴィニールマジックなどの専門レーベルからのCD再発ラッシュ、そしてそれに呼応してメジャーとマイナー双方から高水準の傑作が相次いだこと…

No.81 Moon Safari / Lover's End 2010

もちろん、だいぶ前からわが最愛のThe Flower Kingsの弟分として登場したMoon Safariという若いグループが、世代を超えてわが国のマニアを魅了していることは知っていた。Amazonのダウンロードサービスで幾つかを聴いてもいた。しかし、何気なく聞き流しただ…

No.80 Stardust We Are / The Flower Kings 1997

だめ押しの『Retropolis』に続いて1年後には、2枚組CDというフルボリュームの大作が届いた。『Stardust We Are』。プログレッシブたることの呪縛を捨てた開き直りの境地を星屑という比喩で表現している。メンバーも同じ、音楽的にはほぼ変化なしだが、楽曲…

No.79 Retropolis / The Flower Kings 1996

The Flower Kingsという微妙なネーミングで劇的な復活を遂げたRoine Stolt。とは言え、やはりこの道20年のヴェテランである。音楽的には最初から完成の域にある。ここからどう発展、変容していくのか、創作のモチベーションも含めて、アルバムの完成度が高け…

No.78 Back in the World of Adventures / The Flower Kings

ドラム以外はほぼ一人で作り上げたソロ・アルバム『The Flower King』の復活劇から1年あまりが経った1995年の暮れ。 Roine Stoltはアルバムタイトルをそのまま名乗るバンドとして本格的な再スタートを切った。瞬間的な創作衝動に駆られた勢いで一気に形にし…

No.77 Roine Stolt / The Flower King 1994

北欧の伝説として、ながらく一部の好事家の間だけで憧れられ続けたカイパ。1970年代半ば、3枚のアルバムを残したスウェーデンの叙情派プログレッシブ・ロック・グループである。その主役を担っていたギター・ヒーローのRoine Stoltが劇的な復活劇を遂げたの…

No.76 Roine Stolt / Fantasia 1979

「昭和40年男」という雑誌がある。もうだいぶ前からその存在は知っていて、美容室ではいつも手に取っていたのだが最近、「興奮のラジカセ」という特集記事に惹かれて、図らずも購入してしまった。自分は昭和40年より少し後の生まれだが、ほぼ同じ共有経験で…

No.75 Cat Food /King Crimson

今は亡き北村昌士さんによるキング・クリムゾンの評伝『キング・クリムゾン―至高の音宇宙を求めて』は、情報の少ないネット石器時代にかけがえのない情報源だった。1981年の上梓だから、やはり北村氏が『フールズメイト』誌のまだ編集長だった時期であろう。…

No.74 Francis Dunnery / Tall Blonde Helicopter 1995(UK)

It Bitesのメイン・パフォーマー、Francis Dunneryは、1990年代前半、社会人になって久しく私にとって特別な存在だった。その当時はアイドルのような容姿だったが、ギターがとてつもなく巧く、しかもジョン・レノンかレイ・デイヴィスかという、ルックスを裏…

No.73 Kaipa / Inget Nytt Under Solen1976(Sweden)

スウェーデンが生んだ北欧の伝説、Kaipaのセカンド・アルバム。1976年名門デッカ・レーベルからのリリース。 我々日本のファンに広く知られたのは、やはり1990年前後、フランスのプログレ専門レーベル、Museaからのリイシュー以降に違いない。Museaの再発CD…

No.72 Nova / Wings of Love 1977(Italy)

Novaと言えば、何と言ってもBrand X人脈のオールスターキャストのセカンド『Vimana』が有名だが、実は続くサードの『Wings of Love』も負けてはいない。やはりメジャーのアリスタからリリースで同時代的に日本のマーケットでも出回ったようだ。ずっと時代を…

No.71 Nova / Vimana 1976(Italy/UK)

イタリアン・ロック史上、最も非日常的なカオスに満ちたトリック・スター的存在、オザンナの『パレポリ』はフェデリコ・フェリーニの映像と共に、ティーンエイジ時代にのめり込んだ世界だが、その残党と言えるメンバーが数年後にはイギリスに渡って、ブラン…

No.70 Kaipa / Same 1975(Sweden)

北欧スウェーデンにカイパ(Kaipa)と名乗る叙情派ロック・バンドが存在し、どうやら1970年代の半ばから活動していたらしいことは、1980年代前半の輸入レコード店情報、およびマーキー誌上の情報から知られていた。実際に自分がその音を聴いたのは、確か大学…

No.69 Coda / Sounds of Passion 1986(Holland)

プログレッシブ・ロック不毛の時代、1980年代の半ば、突如として登場し、日本のプログレ・ファン、シンフォニック・ロック・ファンを魅了した一級品にオランダのコーダがある。メジャーシーンではEL&PがP違いで復活を果たし、GTR、ジェネシス、ゲイブリエル…

No.68 Pat Metheny Group / We Live Here 1995(USA)

パット・メセニーというアーティストが元々プログレ・ファンの嗜好に最も親和性の高いジャズ・フュージョン系の存在であることは言うまでもない。ずっと前から何となく聴いてはいたものの、個人的な音楽変遷を改めて振り返ってみると、本腰を入れて、本気で…

No.67 The Enid / Touch Me 1979(UK)

また昔話になるが、1980年代半ば、かつてのルネッサンスと双璧を成すクラシカル・ロックの雄として、The Enidの存在が日本のプログレ・ファンの間でクローズアップされた。理由は至って簡単だった。彼らがリアルタイムに活動する数少ない“生きた”プログレッ…

No.66 Flame Dream / Supervision 1983(Swiss)

1980年代を通して、ユーロピアン・ロックにイエスやジェネシスの幻影を求め続けた自分にとって、最高の「青い鳥」だったのが、スイスのフレイム・ドリームというバンドである。他聞に漏れず、「スイスのイエス」というのが彼らの触れ込みだった。今にして思…

No.65 Sagrado Coracao da Terra / Same(捧げもの)1985(Brasil)

南米ブラジルにもプログレッシブ・ロックがある、というのを日本のプログレ・ファンが本格的に嗅ぎ付けたのは、1980年代に入ってからだろう。マーキー誌上の特集記事が紹介されたのも確か1983年か84年だった。そのきっかけはやはりリオのバカマルチだ。往年…

No.64 Francis Dunnery / Fearless 1994(UK)

いざ何かを書こうとすると、我ながら昔のことばかりで本当に絶句する。物心が付いた中学から高校、大学時代までの10年あまりに音楽や思想、芸術などに深く関わる濃厚な一人称の思い出が集中していて、それ以降、つまり社会人になってからの約20年は振り返っ…

No.63 Sebastian Hardie / Four Moments(哀愁の南十字星)1975(Australia)

1982年、オーストラリア出身のメン・アット・ワークというバンドが一躍全米チャートのトップにランクインしたのをきっかけに俄かにオーストラリアへの関心が高まった時期があった。その流行に便乗し、これをさかのぼること7年前の1975年にオーストラリアから…

No.62 Pallas / The Sentinel 1983(UK)

1980年代、プログレッシブ・ロック発祥の地であるイギリス、そのアンダーグラウンド・シーンでは、ポンプ・ロックと呼ばれるムーブメントが進行していた。代表格は国民的バンドとしてのステータスを確立したマリリオンだが、かなり距離を置いて二番手に付け…

No.61 Francis Dunnery / Welcome to the Wild Country 1991(UK)

イット・バイツ解散後、バンドの中心人物だったフランシス・ダナリーがいち早くリリースしたソロ第一弾。イット・バイツの魅力の大半を担っていたのが彼であったことは誰にも自明だった。残った3人もバンド継続を試みたが、軌道に乗るには至らず、その前にダ…

No.60 Asia Minor/Between Flesh and Devine 1980(France)

1980年代、英米メインストリームにおいてシンフォニック・ロック不毛の時代にあって、その筋のファンの関心は一気にヨーロッパ各国へ向かった。ここから、イエス、EL&P、ジェネシス、キャメル、ルネサンス等に魅せられた日本人ファンによる「青い鳥」を探す…

No.59 すべてはオマージュにしかならない。

以前から、ずっと思っていることなのだが、一般に「芸術」と言われるような試みに対して、それ自体を作品という形で切り離し、対象化した上で、あたかも単独で存在する客体として、それが客観的に良いの悪いのと論じることは、そもそも大いなる自己矛盾なの…

No.58 Mauro Pagani / Same(地中海の伝説)1979(Italy)

PFMのメインパフォーマーだったマウロ・パガーニがバンドを脱退して発表した初のソロ・アルバム。日本でもPFMの顔として固有名詞で人気があったらしく、キングレコードは「ユーロピアン・ロック・コレクション」を始めるにあたって、その時点ではまだ新作扱…

No.57 Soft Machine / Alive & Well: Recorded in Paris 1977(UK)

ソフト・マシーンは、まずネーミングに惹かれた。ビート文学の大家、ウィリアム・バロウズの作品名だと知ったのは少し後の話だ。カンタベリーシーンを代表するプログレッシブ・ロック史上のビッグネームで、元々ロバート・ワイアットのバンドであったのを、…

No.56 Area / 1978 1978(Italy)

イタリアン・ロックの奇跡として名高いアレアの、余りにも有名な最高傑作。この直後、白血病で急死したデメトリオ・ストラトスの遺作、事実上の最終作と言ってもよい。アレアについては驚嘆すべきエピソードも多い。とにかく独創的なテクニックは、同時代の…

No.55 Gong / You 1975(France)

デヴィッド・アレン率いるゴング。1960年代後半から1970年代前半、プログレッシブ・ロックの黎明期から全盛期にかけて、カンタベリー・シーンの中枢に君臨し続けたビッグネームだが、混沌とした時代の空気が忘れ去られるにしたがって、プログレ正史の中でも…

No.54 Camel / The Snow Goose 1975(UK)

抒情派ロックの筆頭格として、英国プログレッシブ・ロックのいわゆる5大バンドに次ぐ存在のCamelは、7歳年上の兄のお気に入りであり、自分が洋楽を聞き出した時には1970年代のほとんどのレコードが揃っていた。デビュー作から通算6枚目の『Breatheless』あ…

No.53 Magma / Retrospektiw III 1980(France)

ユーロ・ロック史上、最大クラスの存在感を誇るフランスの巨星Magma。唯我独尊、この比類なき孤高の存在を自分が知ったのはいつ頃だったであろうか。時期的にはやはり高校に入る前後だとは思うが、これがどんなイメージで自分の視界に入ってきたのかはよく思…

No.52 Missing Persons / Spring Session M 1982(USA)

Missing Personsは最初、LAからエレクトロニック・ロックの新鋭として普通に登場した。例えば、BerlinとかThompson Twins同様、流行に乗って全米チャートの上位に食い込んできたニューカマーだった。当初からデイル・ボジオの奇妙な発声のヴォイスとエキセン…

No.51 Rush / Grace Under Pressure 1984(Canada)

私にとってRushは結局、今日に至るまで、ずっと自分の半生を共に生きるかけがえのないパートナーだった。多くのRushファンも同じ気持ちであろうが、さすがにまさかここまで彼らが長い間、第一線で創作活動を続けるとは思わなかった。もちろん、いつだってRus…

No.50 National Health / Of Queues and Cures 1978

ナショナル・ヘルスは、Brufordで音楽的主導権を発揮したキーボード奏者のディヴ・スチュワートがその直前まで組んでいたバンドである。プログレッシブ・ロック史上のサブカテゴリとしては、一般に「ジャズ・ロック」と分類されるが、「カンタベリー」という…

No.49 Bruford / One of a Kind 1979(UK)

Brufordは、UKの分裂劇から生まれた、もう一方のユニットとして、1970年代の英国プログレッシブ・ロックの歩みを少し遅れて追いかけてきた自分にとっては、その最終形態と言うか、最後の結論と言うか、そういう意味でとても重要な存在であった。実態は、UK結…

No.48 It Bites / The Big Lad in the Windmill 1986(UK)

イット・バイツのデビュー作The Big Lad in the Windmillは1986年リリース。1980年代半ば、と云えば、マリリオンをはじめとするポンプ・ロック勢がまだ敬愛する1970年代のビッグネームのパロディーという域を超えていない時期だ。しかし、彼らはもともとポン…

No.47 Focus/Sylvia from Live at the Rainbow 1973

オランダのフォーカスは、イタリアのPFMに先立って、インターナショナルな成功を収めたユーロ・ロックのさきがけ、草分け的存在だが、1970年代初頭、ブリティッシュ・ロック全盛期にハード・ロックやプログレを代表する名門バンドと並び、イギリスで人気…

No.46 【イタリアン・ロックの輝き】PFM in Tokyo Dome City Hall 2014

イタリアン・ロックの至宝、PFMのデビュー40周年を記念し、この春先に急遽決まった通算5度目の来日公演。今日はその初日。水道橋はビジネス要件でお馴染みの東京ドーム・シティー・ホール。まさに40年前の名作、名曲、『Photos of Ghost(幻の映像)』(1973…

No.45 【イタリアン・ロックの輝き】PFMの来日。

イタリアン・ロックの至宝PFMが来日する。しかも来週末である。彼らの来日はこれで何度目になるのであろうか。1970年代半ばの初来日は、メンバーが歓喜の涙を流したという感動のエピソードが伝わる歴史的一幕であったが、今世紀に入り、2002年の再来日公演は…

No.44 【イタリアン・ロックの輝き】PFM『Suonare Suonare』から

イタリアン・ロックの代表格と言えば、もちろんPFMである。当然、自分が最初に知ったのもPFM、レコードを買ったのもPFMだ。1973年、EL&P主催のマンティコアレーベルを通して全世界に紹介された、あの『Photos of Ghost(幻の映像)』である。自分が購入した…

No.43 【イタリアン・ロックの輝き】Banco『春の唄』(1979年)から

イタリアン・ロックで今でもよく聴くのは、何かと言えば、決して多くはないのだが、やはりバンコということになりそうだ。日本において、バンコは最も人気の高いイタリアン・ロックの代表的アーティストである。それに関しては異論はないだろう。日本人好み…

No.42 【イタリアン・ロックの輝き】Goblin『マーク幻想の旅』(1978)より

本当に思う。ほんの少し前まであり得なかったことである、と。世界中のほとんどの音楽がクリック一つで無償で聴けるというネットアナーキーの現状である。これは、音楽を命として生きてきた自分のような人間には大問題であり、みずからの世界観、人生観に大…

No.41 プログレッシブ・ロックとの出会い

30年ほど前、中学生だった頃のプログレッシブ・ロックとの出会いは、今日に至る自分の人格形成に大きな影響を与えた原体験である。改めて記憶をたどってみると、その過程ではずっと忘れていたアイテムが貴重な情報源として重要な役割を果たしていたことを思…

No.40 Kansas/Vinyl Confessions 1982(USA)

1982年初夏のこと、カンサスのニュー・アルバムが全米チャートを着実にランクインしてきた。 「ビニール・コンフェッション」という題名でジャケットはなにやら素っ気のないデザイン。おまけにおなじみのロゴも使っていない。 「らしくないな」と感じつつ、…

No.39 It Bites/Once Around The World(限りなき挑戦)

1980年代後半。全国1億2千万人のプログレ・ファン全員が待望していたリアルタイムな本物のプログレッジブ・ロック。ポップだ、ショウビスだという批判はひとまず置くとして、イット・バイツが本作によってプログレ・ファンのそんな期待を満たしたことは間違…

No.38 It Bites/Eat Me In St. Louis

イット・バイツの「本質」に、遅ればせながら気づいて熱狂した私は、彼等が残した3枚のアルバムを貪り聴いた。まずは結果としては遺作となってしまったサード・アルバムだ。主要な曲はライブ・アルバム『Thankyou & Goodnight』に収録されていて、大のお気に…

No.37 It Bites/Thankyou & Goodnight

イット・バイツの『Once Around the World』が新旧プログレファンの間で話題になっていた大学1年の頃、自分の手元にもサークル仲間からカセットテープが回ってきて、さっそく耳を傾けてみた。最初は分厚いキーボードの洪水、ホールズワース的な早弾きソロ、…